複雑なVRRPに関するネットワークスペシャリスト試験

 

以下に「複雑なVRRP(Virtual Router Redundancy Protocol)」をテーマとしたネットワークスペシャリスト試験形式の問題を10問一括で作成します。
難易度は中級〜上級で、設定例・フェイルオーバー・プリアンプト・トラブルシュート・マルチインタフェースなど複雑な条件を含みます。
構成は以下の通り:

  • 【選択肢(A〜D)】
  • 【正解】
  • 【解説】
  • 【穴埋め】
  • 【誤文訂正】

■ 問題1

VRRPにおいて、preempt(プリエンプト)機能を無効に設定した場合、起こり得る現象はどれか。
A. 常に優先度が高いルータがマスタとなる
B. 一度昇格したルータがマスタを維持し続ける
C. VRRPが停止する
D. バックアップルータ同士が競合を起こす

【正解】B
【解説】preemptが無効の場合、より優先度の高いルータが起動してもマスタには昇格せず、現在のマスタが維持される。

【穴埋め】VRRPの preempt を無効にすると、________ を保持していてもマスタに昇格しない。
→ 高いプライオリティ値

【誤文訂正】VRRPのpreemptを無効にすると、すぐにマスタが切り替わる。
→ 正しくはマスタは維持される。


■ 問題2

以下の設定がされた2台のVRRPルータA・Bがある。preemptは有効、Aの優先度は110、Bの優先度は150。両方起動しているとき、どちらがマスタとなるか。
A. A
B. B
C. 両方ともマスタになる
D. 時間によって変動する

【正解】B
【解説】preemptが有効な場合、より高い優先度(150)のBがマスタとなる。


■ 問題3

VRRPで1台のルータが複数のインタフェースに複数のVRIDを持つ設定をした場合、正しい挙動はどれか。
A. VRIDは全インタフェースで共有される
B. VRIDごとにマスタ・バックアップを独立して管理する
C. VRIDは1台のルータに1つしか設定できない
D. 同一インタフェース上でVRIDは衝突する

【正解】B
【解説】VRRPはVRID単位でグループを構成し、それぞれ独立してマスタを選出する。


■ 問題4

VRRPでフェイルオーバー後、元のマスタに自動的に復帰させたい場合に必要な設定はどれか。
A. プリアンプトを有効にする
B. プライオリティを0に設定する
C. チェックサムを無効にする
D. バーチャルIPを削除する

【正解】A
【解説】preempt(プリエンプト)を有効にすると、優先度の高いルータが起動時にマスタへ昇格できる。


■ 問題5

VRRPでバックアップルータが常に先に起動し、その後にマスタ候補が起動する状況でpreemptが無効な場合、起こる事象はどれか。
A. マスタ候補が優先度を自動的に上げて昇格する
B. バックアップルータが永続的にマスタとなる
C. IPアドレスの競合が発生する
D. バーチャルMACアドレスが変化するたびにARPが無効化される

【正解】B
【解説】preemptが無効である限り、優先度が低くても先に起動したルータがマスタを維持する。


■ 問題6

VRRPで、バーチャルIPが物理IPと一致しないときに起こりうる現象はどれか。
A. VRRPは動作しない
B. バーチャルIPとして認識されない
C. 物理IPがマスタになる
D. 正常に機能する

【正解】D
【解説】バーチャルIPは物理IPと異なっていても構わず、VRRPのバーチャルルータグループとして動作可能。


■ 問題7

VRRPでバーチャルMACアドレスの変化によって起こるネットワーク上の影響として適切なものはどれか。
A. ARPテーブルの即時リフレッシュ
B. スイッチのMACアドレステーブルの更新
C. DNSキャッシュの無効化
D. DHCP割当のリセット

【正解】B
【解説】バーチャルMACアドレスが変わると、スイッチのMACアドレステーブルが更新されることで通信経路が切り替わる。


■ 問題8

VRRPにおいて「マスタは1台のみ存在すべきである」という原則が崩れる可能性がある状況はどれか。
A. スプリットブレイン(ルーティングループ)
B. VLAN構成の不一致
C. IPアドレス重複
D. VRID設定の衝突とネットワーク分断

【正解】D
【解説】ネットワーク分断やVRIDの重複によって、それぞれのセグメントでマスタが複数存在する「スプリットマスタ」状態が起こり得る。


■ 問題9

VRRPによるフェイルオーバーの際、バーチャルMACアドレスの再取得が必要になる理由はどれか。
A. 新マスタが異なる物理MACを持つため
B. IPアドレスが変わるため
C. VRIDが再生成されるため
D. MTUが変動するため

【正解】A
【解説】マスタルータが変わると、同一のバーチャルMACを持つ別の物理MACが通信を担当するため、ARPの更新が必要になる。


■ 問題10

VRRPでIPv6対応を行う際の注意点として誤っているものはどれか。
A. VRRPv3を使用する必要がある
B. IPv6ではバーチャルMACアドレスはRAで通知される
C. IPv6ではマルチキャスト宛先がFF02::12である
D. IPv6ではプリアンプトが無効でしか動作しない

【正解】D
【解説】IPv6でもプリアンプトは使用できる。VRRPv3はIPv6対応版であり、プリアンプトの使用可否に制限はない。


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次に進めるテーマがあればお知らせください。

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