リンクローカルマルチキャストアドレスに関するネットワークスペシャリスト試験
以下は「リンクローカルマルチキャストアドレス」をテーマとしたネットワークスペシャリスト試験形式の問題10問です。
一昨日以前の形式(選択問題+正解+解説+穴埋め+誤文訂正)を厳守して構成しています。
■ 問題1
IPv6において、リンクローカルマルチキャストアドレスのプレフィックスとして正しいものはどれか。
A. FF00::/8
B. FE80::/10
C. 2001::/16
D. FD00::/8
【正解】A
【解説】IPv6におけるマルチキャストアドレスは「FF00::/8」で始まり、スコープによってリンクローカルかグローバルかが決まる。リンクローカルマルチキャストはスコープ値0x2を使用する。
【穴埋め】IPv6のマルチキャストアドレスは ________ で始まる。
→ FF
【誤文訂正】リンクローカルマルチキャストアドレスはFE80::/10で始まる。
→ それはリンクローカルユニキャストアドレスである。
■ 問題2
IPv6リンクローカルマルチキャストで、同一リンク上のすべてのノードに対応するアドレスはどれか。
A. FF02::1
B. FF02::2
C. FF05::1
D. FF01::1
【正解】A
【解説】FF02::1 はリンクローカルスコープにおける「すべてのノード」を意味するマルチキャストアドレスである。
【穴埋め】FF02::1 は、同一リンク上の ________ 宛のマルチキャストアドレスである。
→ すべてのノード
【誤文訂正】FF02::1 はすべてのルータに向けたアドレスである。
→ すべてのノード宛である。
■ 問題3
IPv6リンクローカルマルチキャストアドレス「FF02::2」は何を表すか。
A. すべてのホスト
B. すべてのノード
C. すべてのルータ
D. すべてのIGMPメンバ
【正解】C
【解説】FF02::2 は、同一リンク上に存在するすべてのIPv6ルータに対するマルチキャストアドレスである。
【穴埋め】FF02::2 は、同一リンク上のすべての ________ 宛アドレスである。
→ ルータ
【誤文訂正】FF02::2 は、すべてのノードを対象とするマルチキャストである。
→ すべてのルータである。
■ 問題4
IPv6のリンクローカルマルチキャストアドレスのうち、スコープがリンクローカルであることを示すフィールドはどれか。
A. フローラベル
B. トラフィッククラス
C. アドレスタイプ識別子(scope)
D. ネクストヘッダ
【正解】C
【解説】IPv6のマルチキャストアドレスのスコープフィールドで「2」はリンクローカルスコープを意味する。
【穴埋め】リンクローカルスコープを示すスコープ値は ________ である。
→ 2
【誤文訂正】リンクローカルスコープはスコープ値0x5で示される。
→ それはサイトローカルスコープ(FF05::)である。
■ 問題5
リンクローカルマルチキャストの通信範囲はどこに制限されるか。
A. グローバルインターネット全体
B. 自ネットワークのすべてのセグメント
C. 同一リンク内のノード
D. 特定のIPアドレスに限定されない
【正解】C
【解説】リンクローカルマルチキャストは、ルータを越えない同一リンク上のノードにのみ影響を及ぼす。
【穴埋め】リンクローカルマルチキャストは ________ を越えて転送されない。
→ ルータ
【誤文訂正】リンクローカルマルチキャストはルータによって広域ネットワークに中継される。
→ リンクローカルはルータを越えない。
■ 問題6
ND(Neighbor Discovery)で使用されるリンクローカルマルチキャストアドレスはどれか。
A. FF02::1
B. FF02::1:FFXX:XXXX
C. FF02::2
D. FF01::1
【正解】B
【解説】近隣探索(ND)で用いられるのは、IPv6アドレス下位24ビットに基づいた**Solicited-Nodeマルチキャストアドレス(FF02::1:FFXX:XXXX)**である。
【穴埋め】NDで使用されるリンクローカルマルチキャストアドレスは ________ 形式である。
→ FF02::1:FFXX:XXXX
【誤文訂正】NDではブロードキャストアドレスが使われる。
→ IPv6ではブロードキャストは使用せず、Solicited-Nodeマルチキャストを使う。
■ 問題7
リンクローカルマルチキャストを使うプロトコルはどれか。
A. BGP
B. OSPFv3
C. HTTP
D. SMTP
【正解】B
【解説】OSPFv3 はIPv6対応のルーティングプロトコルであり、リンクローカルマルチキャストアドレス(例:FF02::5)を利用して隣接ルータと通信する。
【穴埋め】OSPFv3は ________ スコープのマルチキャストアドレスを使用する。
→ リンクローカル
【誤文訂正】HTTPはリンクローカルマルチキャストを使用する。
→ HTTPはユニキャスト通信を基本とする。
■ 問題8
リンクローカルマルチキャストをサポートしていないのはどれか。
A. IPv6
B. IPv4
C. OSPFv3
D. ICMPv6
【正解】B
【解説】IPv4にはリンクローカルスコープという概念が存在せず、リンクローカルマルチキャストはIPv6で導入された概念である。
【穴埋め】リンクローカルマルチキャストは ________ の機能であり、IPv4には存在しない。
→ IPv6
【誤文訂正】リンクローカルマルチキャストはIPv4で広く使用されている。
→ IPv6の機能であり、IPv4にはない。
■ 問題9
リンクローカルマルチキャストを使う理由の一つとして適切でないものはどれか。
A. ノード検出
B. ルータ間制御通信
C. ルーティングの経路集約
D. 通知の一斉配信
【正解】C
【解説】リンクローカルマルチキャストは制御情報のやり取りなどに使われ、経路集約とは無関係である。
【穴埋め】リンクローカルマルチキャストは、 ________ 情報のやり取りなどに使われる。
→ 制御
【誤文訂正】リンクローカルマルチキャストは経路集約のために利用される。
→ 経路集約は異なる技術で実現される。
■ 問題10
リンクローカルマルチキャストの性質として誤っているものはどれか。
A. 通信はルータを超えない
B. 特定のインターフェースに限定される
C. DNS名前解決に利用される
D. OSPFv3で使用される
【正解】C
【解説】DNS名前解決に使用されるのは、マルチキャストDNS(mDNS)などだが、それはリンクローカルマルチキャストとは直接関係ない。
【穴埋め】リンクローカルマルチキャストは ________ を越えて中継されない。
→ ルータ
【誤文訂正】リンクローカルマルチキャストはDNSの名前解決で広く使われている。
→ DNSは通常ユニキャスト、mDNSは別技術。
次に必要なテーマがあればお知らせください(例:FF02::5/FF02::6(OSPF用)、マルチキャストMACアドレスの変換方法、Solicited-Nodeマルチキャストアドレスの構造 など)。
コメント
コメントを投稿