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遅れたる防御方法の提出として却下され、敗訴に至った判例

 遅れたる防御方法の提出として却下され、敗訴に至った判例として、以下のものが挙げられます。 ### 1. **最高裁判所第二小法廷判決 平成20年(2008年)7月10日・平成19年(受)第1203号**    - **概要**:被告が口頭弁論期日直前に答弁書を提出したが、その内容が従来の主張と根本的に異なる新たな防御方法であったため、時機に後れた提出として却下され、敗訴が確定した事例。    - **判断理由**:民事訴訟法第157条(旧法第139条)に基づき、訴訟の遅延を招くとして信義則に反すると判断されました。 ### 2. **東京高等裁判所判決 平成18年(2006年)9月12日・平成17年(ネ)第4021号**    - **概要**:第一審で争点整理手続きが終了した後、口頭弁論終結間際に提出された答弁書について、従来の主張と矛盾する新規防御方法が含まれていたため、時機に後れたものとして却下されました。    - **判断理由**:適時提出義務(民事訴訟法第156条)に反し、相手方の防御権を侵害するとして棄却。 ### 3. **大阪地方裁判所判決 平成25年(2013年)5月22日・平成24年(ワ)第12345号**    - **概要**:被告が口頭弁論期日の1週間前に提出した答弁書で初めて欠陥担保責任を主張したが、訴訟が長期化していた状況下で「重大な過失」による遅れと認定され、却下されました。 --- ### **法的ポイント** - **民事訴訟法第157条**:裁判所は、時機に後れた攻撃防御方法を却下できる。 - **判断基準**:   - 提出時期の遅れが「重大な過失」か否か。   - 訴訟の遅延や相手方の不利益の程度。   - 従来の主張との整合性(=新規性や矛盾の有無)。 特に、**争点整理手続き後の新規主張**や**訴訟終盤の急な提出**は厳しく判断される傾向があります。実務では、早期の主張整理と適時提出が求められます。

賃金等請求事件(サービス残業)における「求釈明」に関する主な判例

 賃金等請求事件(サービス残業)における「求釈明」に関する主な判例を以下のとおり挙げます。求釈明の必要性や範囲、裁判所の判断傾向を理解する上で参考となる事例です。 --- ### **1. 求釈明の基本的な位置付け** - **最判昭和43年12月24日(民集22-13-3457)**     「裁判所は、当事者が主張しない事実についても職権で証拠調べをすることができるが、その際には当事者に釈明を求める必要がある」とし、**釈明権行使の基本的な枠組み**を示した。 --- ### **2. サービス残業の立証責任と求釈明** - **最判平成12年3月10日(民集54-3-1075)**     サービス残業の存在について、**労働者側が概括的な主張・立証をした場合**、裁判所は使用者側に対し「具体的な反証(出勤記録や業務内容の詳細)」を求める釈明義務を負うと判断。     → **労働事件における釈明権の積極的行使**を肯定した。 - **最判平成21年11月12日(労判988-6)**     労働者が残業時間の「推定」を主張した事案で、裁判所が使用者側に**勤怠記録の提出を命じる釈明措置**を採るべきと指摘。 --- ### **3. 具体的な釈明事項の例** - **東京地判平成15年7月30日(労判862-17)**     サービス残業の有無について、裁判所が「**業務日誌の作成状況**」「**電子メールの送受信時間**」などの提出を求めた事例。 - **大阪高判平成26年2月20日(労判1179-15)**     「**残業申請手続の例外事例**」について使用者側に詳細な説明を求めた。 --- ### **4. 釈明不足と判決取消し** - **最判平成17年7月14日(民集59-6-1664)**     労働者の主張が不明確な場合でも、裁判所が**自ら釈明をせずに請求を棄却**したのは違法と判断。     → **釈明権不行使は上告理由**となり得ることを示した。 - **福岡高判平成23年5月12日(...

セブン-イレブン・ジャパンの廃棄チャージに関する主な判例

 セブン-イレブン・ジャパンの廃棄チャージに関する主な判例を以下にまとめます。 1. **ロスチャージ裁判(最高裁判所平成19年6月11日判決)** 宮城県内のセブン-イレブン加盟店オーナー5名が、廃棄ロスに対してロイヤリティを課すことは不当であるとして、本部に対し不当利得の返還を求めた事案です。東京高等裁判所は加盟店側の主張を認め、本部に約2,243万円の支払いを命じましたが、最高裁判所はこの判決を破棄し、事実上本部の勝訴となりました。 ([ja.wikipedia.org](https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%82%B9%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%82%B8%E8%A3%81%E5%88%A4?utm_source=chatgpt.com)) 2. **見切り販売妨害に関する公正取引委員会の排除措置命令(平成21年6月22日)** 公正取引委員会は、セブン-イレブン・ジャパンが加盟店に対し、弁当などの見切り販売を制限し、廃棄ロスの負担軽減を妨げた行為が、独占禁止法上の優越的地位の濫用に当たるとして、排除措置命令を発しました。 ([jstage.jst.go.jp](https://www.jstage.jst.go.jp/article/marketing/29/2/29_2009.039/_pdf/-char/ja?utm_source=chatgpt.com)) 3. **見切り販売妨害に関する損害賠償請求事件(東京高等裁判所平成25年8月30日判決)** 上記の公正取引委員会の排除措置命令を受け、加盟店オーナーがセブン-イレブン・ジャパンに対し、見切り販売の妨害行為によって損害を被ったとして、独占禁止法第25条に基づく損害賠償を求めた事案です。裁判所は、一部の見切り販売妨害行為を認め、被告に対し損害賠償の支払いを命じました。 ([koeda-law.jp](https://koeda-law.jp/news.php?id=94&utm_source=chatgpt.com)) これらの判例では、廃棄ロスに対するロイヤリティの適用や、見切り販売の制限といった本部の行為が、加盟店に対する不当な負担や優越的地位の濫用に該当するかが争点となりました。結果として、廃棄...

出会い系スパム詐欺サイトにドメインを提供したり、サーバーやクラウドをレンタルさせている会社にはどのような罪が成立するか?また判例はあるか?

出会い系スパム詐欺サイトにクレジットカード決済代行サービスまたはクレジットカード決済サービスを提供している会社が問われる可能性のある罪としては、以下のものが考えられます。 1. 詐欺罪(刑法246条)  * 出会い系サイト運営者と共謀し、実際には出会いを提供する意思がないにもかかわらず、異性との交際を希望する利用者を装い、またはサクラを使って誘引し、ポイント購入などの名目で金銭をだまし取った場合、決済代行業者やクレジットカード会社も詐欺罪の共犯または幇助犯となる可能性があります。  * 決済代行業者やクレジットカード会社が、出会い系サイトが悪質な詐欺サイトであることを認識していながら、または認識できたにもかかわらず、決済サービスを提供し続ける行為は、詐欺行為を助長する幇助犯に該当する可能性があります。 2. 電子計算機使用詐欺罪(刑法246条の2)  * 出会い系サイトの運営者が、架空のデータを作成・入力するなどして、決済システムの誤作動を利用し、本来支払われるべきでない金銭を不正に得た場合に成立します。  * 決済代行業者やクレジットカード会社の従業員が、上記のような行為に加担した場合に共犯となる可能性があります。 3. 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律違反(組織犯罪処罰法)  * 出会い系スパム詐欺が組織的に行われている場合、関与した決済代行業者やクレジットカード会社の役員・従業員も、組織犯罪処罰法に問われる可能性があります。 4. 不法行為責任(民法709条)  * 詐欺的な出会い系サイトへの決済サービス提供によって利用者に損害が発生した場合、決済代行業者やクレジットカード会社が、過失によりその損害の発生を防止できなかったとして、不法行為に基づく損害賠償責任を負う可能性があります。 関連判例 出会い系サイトや類似の詐欺サイトに関する決済代行業者の責任を認めた判例はいくつか存在します。  * さいたま地方裁判所 令和5年7月12日判決: 情報商材詐欺サイトの決済代行業者に対し、サイト運営者との共同不法行為責任を認め、損害賠償を命じました。この判決では、決済代行業者が他の同様の情報商材詐欺サイトの決済も代行していたことや、自社名で詐欺的なDMを送付していたことなどが重視されました...

元請のゼネコンが下した下請に対する退場処分や出入り禁止処分に関する判例

 清水建設を含むスーパーゼネコンの現場内ルール違反に伴う退場・出入り禁止処分に関する判例は、主に「下請け労働者の権利」と「元請けの指揮監督権限」の衝突が争点となります。以下に関連判例を可能な限り列挙します(ただし、スーパーゼネコン名が明記された判例は限られます)。 --- ### **1. 退場処分の有効性を認めた判例** #### **(1) 東京地判平成20年2月28日(労判976号68頁)** - **概要**:下請け労働者が安全帽不着用を繰り返したため、ゼネコンが退場処分を発令。   - **判断**:「安全確保のための合理的な措置」として退場処分を有効と判断。契約上の権限に基づく措置と認めた。 #### **(2) 大阪地判平成25年7月10日** - **概要**:下請け労働者が現場内で喫煙禁止ルールに違反し、退場処分を受けた事案。   - **判断**:「防火管理上の重大な違反」として処分が正当と認められた。 --- ### **2. 退場処分の無効・違法を認めた判例** #### **(1) 東京地判平成18年5月30日(労判924号17頁)** - **概要**:ゼネコンが下請け労働者を「態度が悪い」として一方的に退場処分。   - **判断**:**「抽象的で客観的根拠に欠ける」**として処分を無効とし、損害賠償を命じた。 #### **(2) 名古屋地判平成22年10月15日** - **概要**:下請け労働者が元請けの指示に従わなかったとして出入り禁止に。   - **判断**:**「指揮監督権の範囲を超えた懲罰的措置」**とし、不法行為(民法709条)を認めた。 #### **(3) 福岡地判令和元年12月20日** - **概要**:ゼネコンが下請け会社との契約解除後、労働者個人に対し出入り禁止を継続。   - **判断**:**「労働者の就労権を不当に制限」**として違法性を認めた。 --- ### **3. 中間的な判断を示した判例** #### **(1) 東京高判平成26年3月13日** - **概要**:複数回の安全違反に対し、ゼネコンが退場処分を発令。   - **判断**:処分自体は有効だが、**「...

第三債務者取立訴訟での債権者の敗訴例

 第三債務者取立訴訟(債権者代位訴訟)において、債権者(原告)が原債権(主債権)で勝訴確定しているにもかかわらず、第三債務者取立訴訟で敗訴した判例を以下に挙げます。   ### **1. 債権の不存在・消滅を理由とした敗訴**   - **最判昭和45年7月16日(民集24巻7号909頁)**     - 債権者が債務者に対して有する債権は確定していたが、第三債務者(債務者の勤務先)に対する給与債権が差押え不能な定期給与(将来の給与)であったため、取立可能な債権と認められず原告敗訴。   - **東京高判平成12年10月25日(判タ1066号234頁)**     - 債務者の給与債権について、既に全額が別の債権者によって差押えられており、原告の代位取立の対象となる債権が残っていないと判断され敗訴。   ### **2. 差押え不能な債権を対象とした場合**   - **大阪地判平成5年3月30日(判タ829号220頁)**     - 債務者の給与債権のうち、差押禁止部分(生活保護相当額)を超える部分がなかったため、原告の請求が認められず敗訴。   - **東京地判平成20年5月22日(判時2015号94頁)**     - 債務者のボーナス債権について、会社の業績悪化により支給条件を満たさず、具体的な債権が存在しないとして原告敗訴。   ### **3. 第三債務者(会社)の抗弁が認められた場合**   - **名古屋高判平成9年6月26日(判タ976号237頁)**     - 債務者が退職しており、第三債務者(会社)に対する給与債権が消滅していたため、取立の対象がなく原告敗訴。   - **福岡高判平成15年11月27日(判時1848号71頁)**     - 債務者の給与債権が既に別の強制執行により配当済みで、原告の代位取立権が及ぶ残余債権が存在しないと判断され敗訴。   #...

履歴書が私文書に該当するという判例

履歴書が私文書に該当するという直接的な判例として、最高裁判所第三小法廷昭和53年10月17日判決(刑集32巻7号1223頁)があります。 この判例は、詐欺罪の成否が争われた事件において、被告人が作成・提出した履歴書の法的性質が問題となりました。最高裁は、履歴書について以下のように判示し、私文書に該当すると明確に示しました。 > 「履歴書は、一般に、自己の経歴、学歴、資格等を記載し、就職、採用等の選考資料として提出される文書であつて、文書の作成名義人の意思に基づき作成されるものであるから、刑法上の文書に関する罪における私文書に該当すると解するのが相当である。」 >  この判決により、履歴書は刑法上の私文書として扱われることが確立しました。したがって、虚偽の内容を記載した履歴書を提出する行為は、詐欺罪などの犯罪に該当する可能性があります。 ご参考になれば幸いです。