EPI認定資格試験-総施設電力に関する問題20問

 以下に、EPI(Energy Professional International)認定資格の「データセンターの総施設電力」に特化した模擬問題を20問作成します。総施設電力の計算、構成要素、効率化策、関連指標などを網羅した内容です。公式の過去問ではありませんが、出題傾向を反映しています。


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### **【総施設電力の定義と計算】**  

**問題1**  

データセンターの「総施設電力」に含まれないものはどれか?  

a) UPSの電力損失  

b) サーバーの消費電力  

c) オフィスエリアの照明  

d) 精密空調の電力  


**正解: c**  

→ 総施設電力はIT機器とそれを支援するインフラ(冷却/UPSなど)のみ対象。  


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**問題2**  

総施設電力が500kW、IT機器電力が400kWのとき、PUEはいくつか?  

a) 1.25  

b) 1.50  

c) 0.80  

d) 2.00  


**正解: a**  

→ PUE = 総施設電力 ÷ IT機器電力 = 500 ÷ 400 = 1.25  


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**問題3**  

「総施設電力」を構成する要素で最も比率が高いのは通常どれか?  

a) 照明  

b) ネットワーク機器  

c) 冷却システム  

d) セキュリティシステム  


**正解: c**  

→ 一般的に冷却システムが総電力の30〜50%を占める。  


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### **【電力系統と構成要素】**  

**問題4**  

「2N電源構成」の説明として正しいのは?  

a) 2台のUPSで全負荷を分担  

b) 完全に冗長化された独立した2系統  

c) 2時間のバックアップ時間を保証  

d) 低圧と高圧の2電圧を供給  


**正解: b**  

→ 2Nは完全冗長化(例: A系統とB系統が互いに100%予備)。  


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**問題5**  

高圧受電(6.6kVなど)を採用する主な目的は?  

a) IT機器の処理速度向上  

b) 配電損失の低減  

c) サーバー設置密度の増加  

d) 冷却効率の改善  


**正解: b**  

→ 高電圧は電流↓ → 送電時の抵抗損失(I²R)が減少。  


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### **【電力損失の要因】**  

**問題6**  

UPSで発生する「変換損失」の主な原因は?  

a) AC/DC変換時の熱損失  

b) バッテリーの自然放電  

c) ファンの騒音  

d) 電圧周波数の変動  


**正解: a**  

→ 一般的なUPSの効率は90〜95%(5〜10%が損失)。  


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**問題7**  

配電系統で「ケーブル抵抗」による電力損失を減らす方法は?  

a) ケーブル長を短くする  

b) 電圧を下げる  

c) 導体断面積を小さくする  

d) 絶縁材を厚くする  


**正解: a**  

→ 抵抗損失は「長さ×抵抗率÷断面積」で計算されるため。  


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### **【電力測定と監視】**  

**問題8**  

総施設電力を正確に測定するために必要な機器は?  

a) パワーディストリビューションユニット(PDU)  

b) クランプメーター(電流トランス)  

c) サーバー内蔵温度センサー  

d) ネットワークスイッチ  


**正解: b**  

→ 非接触で高精度に電流値を計測可能。  


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**問題9**  

電力使用量の「リアルタイム監視」が不可能なのはどれか?  

a) スマートメーター  

b) アナログ電流計  

c) DCIMシステム  

d) 電力品質アナライザー  


**正解: b**  

→ アナログ電流計は瞬時値の記録機能なし。  


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### **【効率化策】**  

**問題10**  

総施設電力削減に効果的でない対策は?  

a) 未使用サーバーの停止  

b) 空調設定温度の引き上げ  

c) バックアップ発電機の常時稼働  

d) 高効率UPSへの更新  


**正解: c**  

→ バックアップ発電機は停電時のみ使用。常時稼働は燃料浪費。  


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**問題11**  

「ハーモニック歪み」が総電力に与える影響は?  

a) 無効電力増加 → 配電効率低下  

b) IT機器の処理速度向上  

c) 冷却システムの停止  

d) 電圧安定化  


**正解: a**  

→ 高調波は変圧器やケーブルの過熱を引き起こす。  


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### **【非常用電源】**  

**問題12**  

ディーゼル発電機の「定期的な負荷試験」が重要な理由は?  

a) 燃料消費量を減らすため  

b) 緊急時の即時起動を保証するため  

c) ネットワーク帯域を拡張するため  

d) サーバー冷却効率を高めるため  


**正解: b**  

→ 年に1回以上の全負荷試験で信頼性を確認。  


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**問題13**  

バッテリーの寿命に影響しない要因は?  

a) 周囲温度  

b) 充放電サイクル数  

c) サーバーのCPU使用率  

d) 浮充電電圧  


**正解: c**  

→ バッテリー寿命は電源系統の運用条件に依存。  


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### **【関連規格と指標】**  

**問題14**  

「ISO 50001」が対象とする分野は?  

a) エネルギー管理システム  

b) データセンターの階層分類  

c) サーバーの耐震基準  

d) ネットワークセキュリティ  


**正解: a**  

→ エネルギー使用の最適化を目的とした国際規格。  


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**問題15**  

「Carbon Usage Effectiveness(CUE)」の計算式は?  

a) 総CO₂排出量 ÷ IT機器電力  

b) IT機器電力 ÷ 総CO₂排出量  

c) 総電力 × 炭素係数  

d) 再生可能エネルギー比率 ÷ 総電力  


**正解: a**  

→ CO₂排出効率を評価する指標。  


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### **【応用計算問題】**  

**問題16**  

総施設電力800kW、IT機器電力600kW、冷却電力150kWのとき、UPSと照明の合計電力は?  

a) 50kW  

b) 100kW  

c) 200kW  

d) 250kW  


**正解: a**  

→ 800 - (600 + 150) = 50kW  


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**問題17**  

PUE1.8のデータセンターでIT機器を100kW増設した場合、総施設電力の増加量は?  

a) 100kW  

b) 120kW  

c) 180kW  

d) 200kW  


**正解: c**  

→ 増加後PUEが同じ場合: 100kW × 1.8 = 180kW  


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### **【設計と運用】**  

**問題18**  

部分負荷時(30%負荷)でPUEが悪化する主因は?  

a) UPS効率の低下  

b) 冷却システムの非線形効率  

c) サーバー仮想化率の上昇  

d) 照明電力の比率増加  


**正解: b**  

→ 冷却設備は低負荷で効率が大幅に低下する場合あり。  


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**問題19**  

「ホットアイル封鎖」の目的は?  

a) 冷気と熱気の混合防止 → 冷却効率↑  

b) セキュリティ強化  

c) ネットワーク遅延の低減  

d) 電力品質の安定化  


**正解: a**  

→ 冷気の無駄を減らし総電力↓。  


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**問題20**  

データセンターの「電力使用契約」で重要なのは?  

a) デマンドチャージの最適化  

b) サーバーリース期間  

c) ネットワーク帯域保証  

d) 冷却水の水質基準  


**正解: a**  

→ ピーク電力料金(デマンド値)を抑えることがコスト削減に直結。  


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### **【解説のポイント】**  

1. **総施設電力の内訳**:  

   - IT機器(40〜50%)・冷却(30〜40%)・UPS(5〜10%)・照明(1〜3%)など。  

2. **効率化の優先順位**:  

   - 冷却最適化 → UPS高効率化 → 配電損失削減の順で効果が大きい。  

3. **トレードオフの例**:  

   - フリークーリング(PUE↓) vs WUE↑(水使用量増)。  


EPI試験では、**電力系統図の読み取り**や**実データに基づく計算問題**が出題されます。実際の設備仕様書を参照しながら学習するのが効果的です。

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