AND回路をラダー言語とアッセンブリ言語で書く
以下に、**AND回路**をラダー言語(ラダー図)とアセンブリ言語(x86)で記述した例を説明します。
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### 1. ラダー言語(ラダー図)でのAND回路
#### 例: 2入力AND回路(A AND B → OUT)
```
|-----| |-----|-------( )--|
| A | | B | OUT |
```
**動作条件**:
- 入力 `A` **かつ** 入力 `B` がON(接点閉)のとき、出力 `OUT` がON(コイル励磁)します。
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### 2. x86アセンブリ言語でのAND回路
#### 例: メモリ上の変数でAND演算
```assembly
section .data
A db 1 ; 入力A (1=ON, 0=OFF)
B db 1 ; 入力B (1=ON, 0=OFF)
OUT db 0 ; 出力OUT (初期値0)
section .text
global _start
_start:
; AND演算の実行
mov al, [A] ; AL = Aの値
and al, [B] ; AL = A AND B
mov [OUT], al ; OUT = 結果
; プログラム終了
mov eax, 1 ; システムコール番号 (exit)
int 0x80 ; カーネル呼び出し
```
#### 動作説明:
1. `A` と `B` の値をレジスタ `AL` にロード
2. `AND` 命令で論理積を計算
- `A=1` かつ `B=1` の場合のみ `AL=1` になります
3. 結果を `OUT` に格納
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### 3. 物理I/Oを使った例(PLC風の実装)
#### 例: ポート入出力でAND回路を実現
```assembly
section .text
global _start
_start:
; ポート0x20から入力Aを読み取り
in al, 0x20 ; AL = ポート0x20の値 (A)
and al, 0x01 ; 最下位ビット(Aの状態)を抽出
; ポート0x21から入力Bを読み取り
in bl, 0x21 ; BL = ポート0x21の値 (B)
and bl, 0x01 ; 最下位ビット(Bの状態)を抽出
; AND演算
and al, bl ; AL = A AND B
; ポート0x22に結果を出力
out 0x22, al ; OUTポートに書き込み
; 無限ループ(PLCは常に動作するため)
jmp _start
```
#### 動作説明:
- ハードウェアの入力ポート(`0x20`, `0x21`)からスイッチ状態を読み取り
- ビット演算でANDを計算後、出力ポート(`0x22`)に結果を送信
- PLCのように**無限ループ**で動作
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### 4. ラダー図とアセンブリの対応関係
| ラダー要素 | アセンブリ対応 |
|-------------------|-----------------------------|
| 入力接点(A) | `mov al, [A]` または `in`命令 |
| AND論理 | `and` 命令 |
| 出力コイル(OUT) | `mov [OUT], al` または `out`命令 |
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### 5. 注意点
- **PLCの実際の動作**:
実機のPLCは「スキャンサイクル」と呼ばれるループで入出力を連続的に処理します。アセンブリの無限ループ(`jmp _start`)がこれに相当します。
- **ビット操作**:
PLCでは1ビット単位で入出力を制御しますが、x86アセンブリでは通常8ビット(1バイト)単位で操作します。
- **タイミング**:
実際のPLCはタイマーやシーケンシャル制御を含みますが、単純なAND回路では不要です。
このように、ラダー図のAND回路はアセンブリでは **`AND`命令** で直接表現できます。
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