MPLSに関するネットワークスペシャリスト試験
以下は「MPLS(Multi-Protocol Label Switching)」をテーマとした、ネットワークスペシャリスト試験形式に準拠した問題10問(選択式+正解+解説+穴埋め+誤文訂正)です。
■ 問題1
MPLSの特徴として正しいものはどれか。
A. IPヘッダのみを用いて転送制御を行う
B. ラベルによりルータの転送処理を高速化する
C. TCPコネクションの再送制御を補助する
D. アプリケーション層のプロトコルを識別する
【正解】B
【解説】MPLSはIPアドレスではなく、ラベル(固定長)を用いてパケットを高速に転送する仕組みである。
【穴埋め】MPLSは、__________を利用することで、IPルーティングより高速な転送処理が可能になる。
→ ラベル
【誤文訂正】MPLSはIPヘッダのみで転送するのではなく、ラベルを利用して高速な転送を行う。
■ 問題2
MPLSのラベルスイッチングにおけるラベルの役割はどれか。
A. 通信相手の公開鍵を示す
B. パケットの内容を暗号化する
C. 転送経路の指定に使う
D. VLANの識別に使う
【正解】C
【解説】MPLSではパケットに付与されたラベルを参照して、あらかじめ決められた経路に従って中継・転送される。
【穴埋め】MPLSのラベルは、__________の指定情報を持っており、転送を高速化する。
→ 経路
【誤文訂正】MPLSのラベルは暗号化のためではなく、転送経路の識別に用いられる。
■ 問題3
MPLSの中継装置でラベルの付加・削除を行う装置の名称はどれか。
A. PE(Provider Edge)ルータ
B. CE(Customer Edge)ルータ
C. LSR(Label Switching Router)
D. NAT(Network Address Translator)
【正解】C
【解説】LSRはMPLSネットワーク内のルータで、ラベルの付加・参照・書き換えを行って転送する。
【穴埋め】MPLSの中核でラベル操作を担う装置は、__________と呼ばれる。
→ LSR(Label Switching Router)
【誤文訂正】CEルータはMPLSネットワークの外側にあり、ラベル操作は行わない。
■ 問題4
MPLSにおける「FEC(Forwarding Equivalence Class)」の意味として最も適切なものはどれか。
A. 暗号化クラスの種類
B. 優先度に応じたバッファの種類
C. 同一の転送経路をたどるパケット群
D. IPv6におけるフローラベルの変換方式
【正解】C
【解説】FECとは、MPLSにおいて同一の転送動作を受けるパケット群をまとめた分類単位である。
【穴埋め】MPLSにおけるFECとは、同じ__________で処理されるパケットの集合を指す。
→ 経路
【誤文訂正】FECは暗号やフローラベルではなく、転送経路ごとのパケット群を表す。
■ 問題5
MPLSの導入目的として最も適切なものはどれか。
A. アドレス変換の簡略化
B. ブロードキャストの制御
C. ルーティング処理の高速化
D. アプリケーション間通信の仲介
【正解】C
【解説】MPLSはラベルを用いてルーティング処理を省略し、転送処理の高速化を実現する技術である。
【穴埋め】MPLSは、ルーティング処理を簡略化して__________を向上させるために使用される。
→ 処理速度(転送速度)
【誤文訂正】MPLSはアドレス変換ではなく、ラベルベースの転送による高速化を目的とする。
■ 問題6
MPLSネットワークでパケットが最初にラベルを付加される装置はどれか。
A. LER(Label Edge Router)
B. DHCPサーバ
C. VPNゲートウェイ
D. IDS(Intrusion Detection System)
【正解】A
【解説】LERはMPLSネットワークの境界にあるルータで、パケットに最初のラベルを付与したり、最後にラベルを除去する役割を持つ。
【穴埋め】MPLSにおいてラベルの付加と除去を行うのは__________である。
→ LER(Label Edge Router)
【誤文訂正】VPNゲートウェイはラベル操作は行わない。ラベル操作はMPLS専用の装置が行う。
■ 問題7
MPLSとIPルーティングの違いとして正しいものはどれか。
A. MPLSではMACアドレスで経路を決定する
B. MPLSではデータリンク層のみで転送される
C. MPLSでは転送先に応じてラベルで経路を決定する
D. MPLSではARPを用いて中継経路を決定する
【正解】C
【解説】MPLSはラベルに基づき転送経路を選択することで、従来のルーティングよりも高速に中継可能。
【穴埋め】MPLSでは、宛先IPではなく__________により経路が選ばれる。
→ ラベル
【誤文訂正】MPLSはMACアドレスやARPを使って経路を決定するものではない。
■ 問題8
MPLSと相性が良い技術として適切なものはどれか。
A. RIP
B. BGP
C. FTP
D. NAT
【正解】B
【解説】MPLSはBGPと組み合わせることで、大規模ネットワークやIP-VPNの経路制御に柔軟性を持たせることができる。
【穴埋め】MPLSは__________と組み合わせて経路情報を拡張し、IP-VPNなどに活用される。
→ BGP
【誤文訂正】FTPやNATはMPLSの経路制御には直接関与しない。
■ 問題9
MPLSの利点として誤っているものはどれか。
A. 通信品質の向上
B. 経路制御の柔軟性
C. セキュリティの強化による暗号化通信
D. マルチプロトコル対応
【正解】C
【解説】MPLSは暗号化機能を提供するものではなく、セキュリティ強化には別の手段(IPsec等)が必要である。
【穴埋め】MPLSは通信の__________を担うが、暗号化機能は標準では備えていない。
→ 経路制御
【誤文訂正】MPLSは暗号化を提供せず、セキュリティ強化には直接関与しない。
■ 問題10
MPLSネットワークにおける「ラベルスタッキング」とは何を意味するか。
A. 複数の経路を束ねることで帯域を増やす技術
B. 異なるラベルを順に重ねて転送制御を行うこと
C. MACアドレスとIPアドレスを同時に保持する技術
D. パケットのヘッダサイズを最小化する技術
【正解】B
【解説】ラベルスタッキングとは、1つのパケットに複数のラベルを積み重ね、階層的な転送制御を行うMPLSの機能である。
【穴埋め】MPLSにおいて複数のラベルを積み重ねて制御する方式を__________という。
→ ラベルスタッキング
【誤文訂正】ラベルスタッキングはヘッダの最小化ではなく、複数ラベルによる柔軟な制御を意味する。
ご希望に応じて、「午後Ⅰ記述形式」や「他のVPN/ルーティング技術との比較」なども出題可能です。続けてテーマを指定してください。
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