BlenderBIMとHELIOSの連携
**BlenderBIMで作成したIFCモデルをExcel積算と連携させることは可能です**。ただし、**中間処理(IFCデータの抽出・整形)が必要**です。以下に具体的な方法を説明します。
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## **1. BlenderBIM → Excel積算の連携手順**
### **(1) IFCデータから数量を抽出**
BlenderBIMで作成・編集したIFCモデルには、電気設備(照明、配線、スイッチなど)の**幾何学的属性(長さ、面積、個数)**や**カスタムプロパティ(単価、工種コード)**が含まれています。
これらをPython(`ifcopenshell`ライブラリ)やBlenderのスクリプトで抽出し、Excelで読み込める形式(CSVやExcel直接出力)に変換します。
#### **例:IFCから照明器具の数量を抽出**
→ **Excelで開くと、照明器具の数量と単価が計算された表が生成されます**。
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### **(2) 配線・ダクトの長さを計算**
電気工事では、**ケーブルトレイや配線の延長**が重要です。IFCモデルから`IfcCableCarrier`(ケーブルダクト)や`IfcFlowSegment`(配管・配線)の長さを抽出できます。
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### **(3) Excelと連携して積算書を作成**
抽出したデータをExcelの**積算テンプレート**にインポートし、合計金額を計算します。
- **方法1:CSVをExcelで開き、手動で貼り付け**
- **方法2:Pythonの`openpyxl`や`xlwings`で直接Excelを操作**
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## **2. 連携時の注意点
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### **✅ カスタムプロパティの設定**
BlenderBIMでIFC要素に**単価や工種コード**を追加する必要があります。
-**方法**:BlenderBIMの「Property Manager」で`UnitCost`や`WorkCode`を追加。
### **✅ IFCの詳細度(LOD)**
- **LOD 300以上**が推奨(配線経路、器具型番までモデリング)。
- 単純な形状モデルでは正確な数量計算が困難。
### **✅ 日本固有の規格対応**
- **建築数量積算基準**や**電気設備工事標準仕様書**に合わせる場合は、IFCのプロパティをカスタマイズする必要があります。
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## **3. より効率的な代替案**
### **(1) Power Query(Excel)でIFCデータを直接読み込み**
- **IFC → CSV → Power Query**で自動連携可能。
- 定期的なデータ更新に対応。
### **(2) Dynamo(Revit)+ Excel連携**
- Revitユーザーであれば、**Dynamo**でIFCデータを抽出しExcelと連携可能。
### **(3) 専用BIM積算ソフトの利用**
- **CostX**や **Navisworks** はIFC対応の積算機能を内蔵。
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## **結論**
**BlenderBIMで作成したIFCモデルのデータをPythonで抽出し、Excel積算と連携させることは可能です**。
- **必要な作業**:IFCデータ抽出スクリプトの作成 + Excelテンプレートへのマッピング。
- **カスタムプロパティ**を適切に設定すれば、照明器具、配線、ダクトなどの数量を自動計算可能。
**完全自動化は難しい**ため、初期設定には手間がかかりますが、**繰り返し利用する積算案件では効率化が見込めます**。
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