VRRPのトラッキング設定例題

 

以下に「VRRPのトラッキング設定例題」をテーマとしたネットワークスペシャリスト試験形式の問題を10問作成します。
トラッキング機能は、インタフェースやルートの死活監視に基づいてVRRPマスタのプライオリティを動的に変更し、フェイルオーバーをトリガするために使用されます。


■ 問題1

次の設定例において、track 1 decrement 20 が意味する動作はどれか。

vrrp 10 ip 192.168.1.254
vrrp 10 priority 120
vrrp 10 track 1 decrement 20

A. トラッキングが無効になる
B. トラッキング対象のインタフェースがダウンすると、優先度が100になる
C. マスタルータが必ず降格する
D. VRIDが20に変更される

【正解】B
【解説】 track 1 decrement 20 は、トラッキング対象のインタフェース(またはルート)がダウンした際に優先度を20減算する設定。優先度は120から100に下がる。


■ 問題2

以下の設定例で、マスタルータが降格する条件として正しいものはどれか。

vrrp 1 ip 10.0.0.1
vrrp 1 priority 110
vrrp 1 track Ethernet0 decrement 30

A. Ethernet0がリンクダウンした場合
B. ARP要求が失敗した場合
C. DHCPリースが切れた場合
D. OSPFが停止した場合

【正解】A
【解説】 トラッキング対象として Ethernet0 が指定されているため、リンクダウン時に優先度が30下がり、他ルータとの比較でマスタから降格する可能性がある。


■ 問題3

以下の設定例を基に、マスタルータのプライオリティが 80 になる条件はどれか。

vrrp 5 ip 172.16.0.254
vrrp 5 priority 120
vrrp 5 track 1 decrement 20
vrrp 5 track 2 decrement 20

A. track 1 のみがダウンした場合
B. track 1 と track 2 の両方がダウンした場合
C. track 2 のみがダウンした場合
D. どちらも正常な場合

【正解】B
【解説】 両方のトラッキング対象がダウンすると、優先度が20 + 20 = 40減少し、80になる。


■ 問題4

次の設定例で preempt を有効にした場合の効果はどれか。

vrrp 2 ip 192.168.10.1
vrrp 2 priority 150
vrrp 2 preempt
vrrp 2 track 1 decrement 50

A. プライオリティ減算後でも必ずマスタを維持する
B. 障害復旧後、再び優先度が上がればマスタに復帰する
C. track設定が無効化される
D. preempt設定は無視される

【正解】B
【解説】 preempt が有効な場合、障害復旧後に元の優先度(150)が復活すると再びマスタに昇格する。


■ 問題5

以下の設定例で、track route 192.168.100.0/24 を使用する主な目的は何か。

vrrp 3 ip 10.10.10.1
vrrp 3 priority 110
vrrp 3 track route 192.168.100.0/24 decrement 30

A. 仮想IPを変更するため
B. 特定ルートの疎通を監視し、切れた場合は優先度を下げる
C. ARPキャッシュを更新するため
D. DNSレコードを同期するため

【正解】B
【解説】 トラッキング対象として特定のルート(192.168.100.0/24)の到達性を監視し、経路が失われると優先度を30下げる。


■ 問題6

次の設定で、優先度が降格した場合にマスタから降格するのはどのような条件か。

vrrp 8 ip 10.1.1.254
vrrp 8 priority 130
vrrp 8 track 1 decrement 40

A. 他のルータの優先度が90未満の場合
B. 他のルータの優先度が100以上の場合
C. track 1 がダウンし、他ルータの優先度が100以上の場合
D. track設定はマスタ降格に影響しない

【正解】C
【解説】 track 1 がダウンすると優先度は130→90となり、他ルータが100以上であればマスタを奪われる。


■ 問題7

次の設定で decrement 値が大きすぎる場合に考えられる問題はどれか。

vrrp 7 ip 192.168.1.254
vrrp 7 priority 120
vrrp 7 track 1 decrement 200

A. 優先度がマイナスになり、常にマスタに昇格する
B. 優先度が一気に0となり、マスタから必ず降格する
C. track設定が無効化される
D. マルチキャストが使用不能になる

【正解】B
【解説】 decrement値が大きいと、ダウン時に優先度が0となり即座にマスタを失う。


■ 問題8

次の設定例で、マスタ切替えが行われるタイミングとして正しいものはどれか。

vrrp 10 ip 10.0.0.254
vrrp 10 priority 150
vrrp 10 track 1 decrement 60

A. track 1 のリンクが不安定になった瞬間
B. track 1 が完全にダウンしたとき
C. track 1 の帯域が50%を下回ったとき
D. DNS応答が失敗したとき

【正解】B
【解説】 トラッキング対象が完全ダウンした際に decrement が適用され、他ルータとの優先度比較によりマスタ切替が発生する。


■ 問題9

以下の設定で、マスタ昇格を防ぐための対策として有効な設定はどれか。

vrrp 6 ip 192.168.5.1
vrrp 6 priority 100
vrrp 6 track 1 decrement 20

A. preemptを無効化する
B. decrement値を0にする
C. VRIDを変更する
D. 仮想IPを削除する

【正解】A
【解説】 preemptを無効にすると、優先度が復活しても自動昇格せず、現マスタが維持される。


■ 問題10

次の設定において、優先度を100以下にするためには track 2 をどのように設定する必要があるか。

vrrp 4 ip 10.10.1.1
vrrp 4 priority 140
vrrp 4 track 1 decrement 30
vrrp 4 track 2 decrement X

A. X = 10
B. X = 20
C. X = 40
D. X = 50

【正解】C
【解説】 track 1 がダウンすると優先度は110。100以下にするには、track 2 で10以上の減算が必要。X=40なら110→70となる。


次の提案

  • **「VRRPトラッキングの実装コマンド解説問題」**や、
  • 「複数トラック同時障害時のフェイルオーバーシナリオ問題」

を作成することも可能ですが、続けますか?

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