IPヘッダのチェックサムフィールドに関するネットワークスペシャリスト試験
以下に「IPヘッダのチェックサムフィールド」をテーマとしたネットワークスペシャリスト試験問題を10問一気に作成します(選択肢・正解・解説付き)。
■ 問題1
IPv4ヘッダに存在するチェックサムフィールドの主な役割はどれか。
A. IPパケットの暗号化
B. IPヘッダの誤り検出
C. トラフィック量の測定
D. データの圧縮制御
【正解】B
【解説】IPv4のチェックサムはIPヘッダ部分の誤りを検出するためのフィールドである。
■ 問題2
チェックサムは次のどの範囲に対して計算されるか。
A. ヘッダ全体とデータ全体
B. データ部のみ
C. ヘッダ部のみ
D. ペイロードとトレーラ
【正解】C
【解説】IPv4ではヘッダのみに対してチェックサムが計算される。データ部分は対象外。
■ 問題3
IPヘッダのチェックサムが誤っていた場合、通常ルータはどう処理するか。
A. 再送要求を出す
B. 破棄し、ICMPエラーメッセージを送信する
C. 修正して転送する
D. 受信者にそのまま転送する
【正解】B
【解説】誤ったチェックサムのパケットは破棄され、ICMPエラーメッセージが送られることがある。
■ 問題4
IPv6では、IPヘッダにチェックサムフィールドが存在しない理由として適切なものはどれか。
A. エラーが発生しないため
B. チェックサムは冗長だから
C. 下位レイヤで十分なエラー検出が行われるため
D. IPv6では暗号化されているため
【正解】C
【解説】IPv6ではデータリンク層やトランスポート層(TCP/UDP)でエラー検出が行われるため、IPヘッダでのチェックサムは廃止された。
■ 問題5
チェックサム計算時、IPヘッダのチェックサムフィールド自身の値はどのように扱われるか。
A. 計算時は除外する
B. 常に0に設定する
C. 仮の乱数を代入する
D. TTLと同一にする
【正解】B
【解説】チェックサムを計算するときは、チェックサムフィールドを一時的に0にしてから計算する。
■ 問題6
IPヘッダのチェックサムで用いられる演算は何か。
A. CRC
B. 排他的論理和
C. 1の補数による加算
D. AES
【正解】C
【解説】チェックサムは1の補数加算を使って求められる。全ビットを加算して1の補数を取る。
■ 問題7
IPヘッダの内容が途中のルータで変更された場合、どのような処理が必要か。
A. チェックサムを無視する
B. チェックサムを再計算する
C. チェックサムの値を元に戻す
D. チェックサムは変化しないのでそのままで良い
【正解】B
【解説】ルータはIPヘッダ(例:TTL)を変更するため、変更後にチェックサムを再計算し、再設定する必要がある。
■ 問題8
チェックサムが検出できるエラーの特性として正しいものはどれか。
A. 全てのエラーを検出可能
B. 複数ビットが変化した場合は検出不可能
C. 単一ビット誤りや小規模なエラーを高確率で検出可能
D. データの並び順が変わっても検出できる
【正解】C
【解説】チェックサムはビット誤りを高確率で検出するが、完全ではない。
■ 問題9
TCPやUDPにもチェックサムが存在するが、それは何の範囲に対して行われるか。
A. ヘッダのみ
B. データのみ
C. ヘッダとデータの両方、および擬似ヘッダ
D. ヘッダとデータを圧縮したもの
【正解】C
【解説】TCP/UDPチェックサムは、TCP/UDPヘッダ+データ+擬似ヘッダ(送信元/宛先IPアドレス等)を含めて計算される。
■ 問題10
IPヘッダチェックサムの計算結果が0x0000になる場合、実際にはどう表現されるか。
A. そのまま0x0000でセットされる
B. エラーと判断される
C. 0xFFFFとする
D. 無視される
【正解】C
【解説】計算結果が0x0000になる場合、誤認防止のため 0xFFFF を設定する。
ご希望があれば、TCP/UDPチェックサムやIPv6のECNやQoSとの関係も含めた発展問題も作成可能です。
コメント
コメントを投稿