IPヘッダのTOS

 

以下に、IPヘッダのTOS(Type of Service)フィールドをテーマとしたネットワークスペシャリスト試験形式の問題を10問一気に作成します。


■ 問題1

IPヘッダのTOS(Type of Service)フィールドの主な目的はどれか。
A. 宛先IPアドレスの暗号化
B. フラグメントの順番制御
C. パケットの優先度や取り扱い方法の指定
D. TTLの初期値設定

【正解】C
【解説】TOSフィールドは、パケットの伝送における優先順位や取り扱い(遅延、スループット、信頼性)などの指示に使用される。


■ 問題2

IPv4のTOSフィールドは、RFC2474においてどのように変更されたか。
A. 廃止された
B. フラグメント制御に転用された
C. DSCPとECNに分割された
D. TTLと統合された

【正解】C
【解説】RFC2474によりTOSフィールドは再定義され、上位6ビットがDSCP(Differentiated Services Code Point)、下位2ビットがECN(Explicit Congestion Notification)として使われる。


■ 問題3

TOSフィールドの旧仕様で、遅延を最小化するフラグはどれか。
A. 00010000
B. 00001000
C. 00000010
D. 00000100

【正解】A
【解説】TOSフィールドのビットパターンでは、遅延最小化は第4ビット(2^4 = 16、つまり 00010000)をセットすることで指定された。


■ 問題4

以下のうち、TOSフィールドの設計目的に含まれないものはどれか。
A. 通信遅延の制御
B. 帯域幅の確保
C. パケット分割の管理
D. 通信信頼性の選択

【正解】C
【解説】TOSは分割や再構成とは関係がない。主にサービス品質(QoS)に関連する項目に関与する。


■ 問題5

TOSフィールドに基づいて異なる取り扱いを行うネットワーク技術はどれか。
A. NAT
B. DHCP
C. QoS(Quality of Service)
D. SNMP

【正解】C
【解説】QoSはTOS(またはDSCP)に従ってパケットを分類し、優先順位を決定する。


■ 問題6

TOSフィールドの後継仕様であるDSCPは何ビットで構成されているか。
A. 4ビット
B. 6ビット
C. 8ビット
D. 16ビット

【正解】B
【解説】DSCP(Differentiated Services Code Point)は6ビットで構成される。


■ 問題7

TOSフィールドの再定義後、ECN(Explicit Congestion Notification)は何ビットで構成されているか。
A. 2ビット
B. 3ビット
C. 4ビット
D. 6ビット

【正解】A
【解説】ECNはTOSの下位2ビットを使用し、輻輳の通知に使われる。


■ 問題8

TOSフィールドがQoS制御において果たす役割として最も適切なものはどれか。
A. 暗号鍵の提供
B. 経路選択の高速化
C. 優先制御の指標として分類を行う
D. IPアドレスの動的割当

【正解】C
【解説】TOS(またはDSCP)はパケットの分類・整列・優先度の決定に使われる。


■ 問題9

以下のTOS設定のうち、「高スループット」を要求するパケットに設定する値はどれか。
A. 00001000
B. 00010000
C. 00100000
D. 01000000

【正解】C
【解説】旧TOSフィールドにおける「高スループット」は第6ビット(2^5 = 32、つまり 00100000)を立てる。


■ 問題10

TOSフィールドの運用において誤っているものはどれか。
A. すべてのルータがTOSを理解し適切に処理する
B. 一部のネットワーク機器はTOSに基づいて経路を選択できる
C. QoSの実装状況によりTOSの実効性が左右される
D. TOSはIPv6ではTraffic Classに引き継がれている

【正解】A
【解説】すべてのルータがTOSを理解して処理するとは限らず、TOSの効果はネットワーク環境や機器依存である。


ご希望があれば、DSCP、ECN、QoS制御との連携、RFC仕様に基づいた発展的な問題も作成可能です。

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