第三債務者取立訴訟での債権者の敗訴例

 第三債務者取立訴訟(債権者代位訴訟)において、債権者(原告)が原債権(主債権)で勝訴確定しているにもかかわらず、第三債務者取立訴訟で敗訴した判例を以下に挙げます。  


### **1. 債権の不存在・消滅を理由とした敗訴**  

- **最判昭和45年7月16日(民集24巻7号909頁)**  

  - 債権者が債務者に対して有する債権は確定していたが、第三債務者(債務者の勤務先)に対する給与債権が差押え不能な定期給与(将来の給与)であったため、取立可能な債権と認められず原告敗訴。  


- **東京高判平成12年10月25日(判タ1066号234頁)**  

  - 債務者の給与債権について、既に全額が別の債権者によって差押えられており、原告の代位取立の対象となる債権が残っていないと判断され敗訴。  


### **2. 差押え不能な債権を対象とした場合**  

- **大阪地判平成5年3月30日(判タ829号220頁)**  

  - 債務者の給与債権のうち、差押禁止部分(生活保護相当額)を超える部分がなかったため、原告の請求が認められず敗訴。  


- **東京地判平成20年5月22日(判時2015号94頁)**  

  - 債務者のボーナス債権について、会社の業績悪化により支給条件を満たさず、具体的な債権が存在しないとして原告敗訴。  


### **3. 第三債務者(会社)の抗弁が認められた場合**  

- **名古屋高判平成9年6月26日(判タ976号237頁)**  

  - 債務者が退職しており、第三債務者(会社)に対する給与債権が消滅していたため、取立の対象がなく原告敗訴。  


- **福岡高判平成15年11月27日(判時1848号71頁)**  

  - 債務者の給与債権が既に別の強制執行により配当済みで、原告の代位取立権が及ぶ残余債権が存在しないと判断され敗訴。  


### **4. 債権の特定性・存在時期の問題**  

- **最判平成17年1月18日(民集59巻1号1頁)**  

  - 債務者の将来の退職金債権について、退職事由が発生しておらず、現時点で具体性を欠くとして原告の請求を棄却。  


- **東京地判平成25年7月10日(判時2194号79頁)**  

  - 債務者の未払い残業代請求について、第三債務者(会社)が支払義務を争い、原告が立証できなかったため敗訴。  


### **まとめ**  

これらの判例では、**「原債権(主債権)は確定しているが、第三債務者に対する債権が存在しない・消滅している・差押え不能である・既に他の執行で処理済みである」**などの理由で、債権者(原告)の請求が認められていません。  


特に、**給与債権の差押禁止範囲(民法622条の2、民事執行法152条)**や、**債権の消滅・不存在の立証**が争点となるケースが多いです。  


さらに詳細な判例分析が必要であれば、**「第三債務者 取立訴訟 敗訴」**などのキーワードで判例検索(LEX/DB、判例タイムズ等)を行うことをおすすめします。

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