信頼性を提供する仕組みをテーマとしたネットワークスペシャリスト試験午後Ⅱ形式問題
「信頼性を提供する仕組み」をテーマとしたネットワークスペシャリスト試験 午後Ⅱ形式で 10問セット
想定する信頼性提供の仕組みは、
・TCPの再送制御
・順序制御(シーケンス番号)
・確認応答(ACK)
・フロー制御(ウィンドウサイズ)
・輻輳制御(スロースタート、AIMD)
・冗長構成(VRRP、HSRP)
・信頼性のあるアプリ層プロトコル(SMTP、
FTPなどの再送/ACK)
などを含めます。
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信頼性を提供する仕組み 午後Ⅱ形式問題(10問)
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設問1
TCPにおいて、受信側が欠落したデータを再送要求する際に送信する制御情報はどれか。
A. シーケンス番号
B. ACK番号
C. 再送要求フラグ(RTO)
D. ウィンドウサイズ
【正解】B
【解説】
ACK番号で次に期待するシーケンス番号を通知し、欠落があればその番号を繰り返し送って再送を促す。
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設問2
TCPのスロースタートはどのような目的で導入されているか。
A. フロー制御の最適化
B. ネットワーク輻輳を回避するため、送信開始時に転送量を徐々に増やす
C. シーケンス番号の初期化
D. 再送制御の高速化
【正解】B
【解説】
スロースタートは輻輳ウィンドウを指数関数的に増加させ、ネットワーク負荷を確認しながら転送量を調整する。
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設問3
送信側がデータを送信し続けても受信側が処理しきれない場合に備えて、受信可能なデータ量を通知する仕組みはどれか。
A. フロー制御
B. 輻輳制御
C. 再送制御
D. 順序制御
【正解】A
【解説】
フロー制御はウィンドウサイズを用いて受信側のバッファ容量に応じた送信量を通知する。
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設問4
TCPにおける順序制御で利用されるフィールドはどれか。
A. シーケンス番号
B. ウィンドウサイズ
C. チェックサム
D. フラグフィールド
【正解】A
【解説】
シーケンス番号は送信データの位置を示し、受信側はこれを基にデータを正しい順序に並べる。
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設問5
UDPがTCPに比べて信頼性が低い理由として正しいものはどれか。
A. 順序制御を行わない
B. ヘッダが長い
C. ポート番号を使用しない
D. チェックサムを持たない
【正解】A
【解説】
UDPはシーケンス番号やACK応答がなく、順序保証がないため信頼性が低い。
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設問6
冗長化技術のVRRP(Virtual Router Redundancy Protocol)の目的はどれか。
A. 輻輳制御
B. デフォルトゲートウェイの冗長化による可用性確保
C. TCP接続の再送制御
D. フロー制御
【正解】B
【解説】
VRRPは仮想IPを共有する複数ルータでフェイルオーバーを行い、信頼性と可用性を向上させる。
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設問7
再送タイマ(RTO)の値が短すぎる場合に起こり得る問題はどれか。
A. 再送が遅くなりスループット低下
B. 不要な再送が増えて輻輳を悪化させる
C. 順序制御が効かなくなる
D. ウィンドウサイズが増加しない
【正解】B
【解説】
RTOが短いとパケット遅延を誤って損失と判断し、不要な再送が輻輳を引き起こす。
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設問8
信頼性のあるファイル転送を行うFTPが採用している信頼性確保の基本手段はどれか。
A. 繰り返し送信と確認応答
B. データ暗号化
C. マルチキャスト
D. ウィンドウ拡張
【正解】A
【解説】
FTPはTCP上で動作し、確認応答と再送制御によりファイル転送の信頼性を確保する。
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設問9
輻輳回避フェーズにおいて、TCPがウィンドウサイズをどのように増加させるか。
A. 2倍ずつ増加
B. 1MSSずつ線形増加
C. 減少し続ける
D. ランダムに増減
【正解】B
【解説】
スロースタート後の輻輳回避では1往復ごとにウィンドウを1MSSずつ増加させるAIMD方式を採用する。
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設問10
TCPの信頼性機能のうち、パケット破損を検出するために利用されるものはどれか。
A. チェックサム
B. シーケンス番号
C. ウィンドウサイズ
D. ACK番号
【正解】A
【解説】
チェックサムにより、データが破損していないかを確認し、破損時には再送を要求する。
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「TCP再送・順序制御・輻輳制御・冗長化」全部を含む信頼性シナリオ問題にして、正信頼性を提供する仕組みをテーマに、ネットワークスペシャリスト試験 午後Ⅱ本番風の長文シナリオ問題を作成します。
内容は
正常系(TCP再送・順序制御・ACK・フロー制御・輻輳制御)
異常系(SYN Flood、パケット欠落、再送タイマ誤設定、冗長化切替遅延)
をパケットキャプチャ+TCP状態遷移図と組み合わせて、正常/異常比較ができる構成にします。
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ネットワークスペシャリスト試験 午後Ⅱ形式問題(信頼性・正常/異常比較)
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〔設問Ⅰ:シナリオ〕
ある企業のデータセンターでは、基幹システムのアプリケーションサーバ(AS)とデータベースサーバ(DB)がTCPで接続されており、
大容量データの転送において高い信頼性が求められている。
サーバ間は冗長ルータ(VRRP構成)を経由し、帯域1Gbpsの専用回線で接続されている。
ネットワーク部門では定期的にパケットキャプチャを取得し、転送の正常性を監視している。
最近、夜間のバッチ処理中にファイル転送速度が低下する事象が発生した。
調査のため、正常系のキャプチャと異常発生時のキャプチャを比較することになった。
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〔資料1:正常系パケットキャプチャ(抜粋)〕
No. 時刻 (相対) 送信元IP 宛先IP Seq Ack Win フラグ 備考
1 0.000s 10.1.1.10 10.1.1.20 1000 0 65535 SYN コネクション開始要求
2 0.002s 10.1.1.20 10.1.1.10 5000 1001 65535 SYN,ACK 応答
3 0.004s 10.1.1.10 10.1.1.20 1001 5001 65535 ACK 接続確立
4 0.010s 10.1.1.10 10.1.1.20 1001 5001 65535 PSH,ACK データ送信
5 0.012s 10.1.1.20 10.1.1.10 5001 1501 65535 ACK 正常応答
6 0.015s 10.1.1.10 10.1.1.20 1501 5001 65535 PSH,ACK データ送信
7 0.017s 10.1.1.20 10.1.1.10 5001 2001 65535 ACK 正常応答
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〔資料2:異常系パケットキャプチャ(抜粋)〕
No. 時刻 (相対) 送信元IP 宛先IP Seq Ack Win フラグ 備考
1 0.000s 10.1.1.10 10.1.1.20 3000 0 65535 SYN コネクション開始要求
2 0.002s 10.1.1.20 10.1.1.10 8000 3001 65535 SYN,ACK 応答
3 0.004s 10.1.1.10 10.1.1.20 3001 8001 65535 ACK 接続確立
4 0.100s 10.1.1.10 10.1.1.20 3001 8001 65535 PSH,ACK データ送信
5 0.500s 10.1.1.10 10.1.1.20 3001 8001 65535 PSH,ACK 再送(ACKなし)
6 1.000s 10.1.1.10 10.1.1.20 3001 8001 65535 PSH,ACK 再送(ACKなし)
7 1.500s 10.1.1.20 10.1.1.10 8001 3501 65535 RST 接続リセット
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〔資料3:TCP状態遷移図(抜粋)〕
CLOSED → SYN_SENT → ESTABLISHED → FIN_WAIT_1 → FIN_WAIT_2 → TIME_WAIT → CLOSED
↑
RST
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〔設問Ⅱ〕
1. 正常系において、シーケンス番号とACK番号の関係を説明せよ。
2. 異常系でデータ送信後にACKが返らない場合、TCPはどのような動作を行うか。
3. 異常系でRSTが送信される原因として考えられる事象を2つ挙げよ。
4. 冗長化ルータ(VRRP)の切替時にTCPセッションが切断される原因を説明せよ。
5. スロースタートと輻輳回避の動作の違いを述べよ。
6. 正常系と異常系のキャプチャを比較し、信頼性の観点から改善策を2つ提案せよ。
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〔解答例・解説〕(一部)
1. シーケンス番号は送信データの先頭バイトの位置を示し、ACK番号は受信側が次に期待するバイトの位置を示す。正常系では送信データ長分だけACK番号が増加する。
2. TCPはRTO(再送タイムアウト)満了後、同じシーケンス番号でデータを再送する。複数回再送後もACKがない場合は接続を終了する。
3.
宛先アプリケーションが終了またはクラッシュ
ネットワーク経路の変更でセッションが不正化
4. VRRP切替時にアクティブルータが切り替わると、セッション状態が引き継がれずRSTが返される場合がある。
5. スロースタートは輻輳ウィンドウを指数的に増加、輻輳回避は線形増加。
6. 改善策例:
冗長ルータ間でTCPセッション情報を同期
RTO値の調整と再送回数の制御強化
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