フロー制御をテーマとしたネットワークスペシャリスト試験午後Ⅱ形式問題
では「フロー制御」をテーマにした
ネットワークスペシャリスト試験 午後Ⅱ形式(長文シナリオ+パケットキャプチャ+設問+解答・解説付き)
を10問構成で作成します。
午後Ⅱ形式問題:フロー制御の解析
シナリオ
あなたは企業ネットワークの運用担当者です。
営業拠点から本社のファイルサーバ(TCP 445)へアクセスした際、転送速度が極端に低下する事象が発生しました。
本社側の回線は100Mbpsで空きがあり、輻輳の兆候は見られませんでしたが、パケットキャプチャを取得したところ、TCPウィンドウサイズが極端に小さい値で維持される状態が確認されました。
また、クライアントとサーバでのウィンドウサイズ変動パターンに差が見られました。
図1:TCPウィンドウサイズ変化(簡易)
時刻(s) ウィンドウサイズ(bytes)
0.0 65535
0.1 32768
0.2 8192 ← 急低下
0.3 8192
0.4 16384 ← 回復傾向
0.5 65535
表1:パケットキャプチャ抜粋(正常系)
| 時刻 | SEQ | ACK | Win Size | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 0.000 | 1000 | - | 65535 | 接続開始 |
| 0.050 | 1001 | 2001 | 65535 | 高速転送継続 |
| 0.100 | 2001 | 3001 | 65535 | 同上 |
| 0.150 | 3001 | 4001 | 65535 | 同上 |
| 0.200 | 4001 | 5001 | 65535 | 安定通信 |
表2:パケットキャプチャ抜粋(異常系)
| 時刻 | SEQ | ACK | Win Size | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 0.000 | 1000 | - | 65535 | 接続開始 |
| 0.050 | 1001 | 2001 | 65535 | 初期は正常 |
| 0.100 | 2001 | 3001 | 32768 | 窓縮小開始 |
| 0.150 | 3001 | 4001 | 8192 | 極端に縮小 |
| 0.200 | 4001 | 5001 | 8192 | 維持 |
| 0.250 | 5001 | 6001 | 16384 | 徐々に回復 |
設問
設問1
フロー制御の目的として正しいものを選べ。
A. 送信側の転送速度を輻輳状況に応じて調整する
B. 送信側が受信側のバッファ容量を超えないように調整する
C. 送信側が常に最大スループットを維持する
D. 複数経路のうち最短経路を選択する
設問2
異常系キャプチャにおいて、0.150秒時点で発生している現象は何か。
設問3
TCPヘッダのウィンドウサイズフィールドは何ビットか。
設問4
受信側ウィンドウサイズが極端に小さい場合、送信側ではどのような挙動になるか。
設問5
フロー制御と輻輳制御の主な違いを簡潔に説明せよ。
設問6
図1においてウィンドウサイズが0になった場合、送信側はどのようなパケットを一定間隔で送るか。
設問7
受信ウィンドウサイズが回復しない原因として考えられるアプリケーション層の要因を1つ挙げよ。
設問8
TCPのフロー制御で「ゼロウィンドウプローブ」を送信する目的は何か。
設問9
異常系でウィンドウサイズが縮小し続ける場合、送信側での対策として有効な方法を1つ挙げよ。
設問10
フロー制御が適切に機能していない場合に発生し得る問題を1つ挙げよ。
解答・解説
設問1:B
→ フロー制御は受信側の処理能力・バッファ容量に合わせて送信量を制御する。
設問2:
→ 受信側ウィンドウサイズが8192バイトまで縮小し、送信可能量が制限されている。
設問3:
→ 16ビット。拡張にはウィンドウスケーリングオプションを使用。
設問4:
→ 送信量が制限され、データ送信速度が大幅に低下する。
設問5:
→ フロー制御は受信側能力に合わせる制御、輻輳制御はネットワーク混雑に合わせる制御。
設問6:
→ ウィンドウプローブ(ゼロウィンドウプローブ)。
設問7:
→ 受信アプリケーションがデータを読み出さず、バッファが解放されない。
設問8:
→ 受信側ウィンドウサイズが回復したかどうか確認するため。
設問9:
→ アプリケーション側の処理速度改善や受信バッファ拡大。
設問10:
→ バッファオーバーフローによるパケット損失や接続切断。
このままTCPウィンドウ制御のキャプチャ+設問+解答として午後Ⅱ対策に使える形になっています。
もし希望があれば、この問題を図解入りPDFにしてお渡しできますが、PDF化も進めますか?
コメント
コメントを投稿